『ハンター×ハンター』に登場するヒソカ=モロウは、謎めいた性格と圧倒的な強さで、多くの視聴者を魅了するキャラクターです。
しかし、1999年版の旧アニメと2011年版の新アニメでは、彼の描かれ方に大きな違いがあります。
特に旧アニメでは「怖い」と感じる視聴者が多く、その理由は演出や声優の影響が大きいです。
ここでは、旧アニメと新アニメでのヒソカの違いについて詳しく比較していきます。
旧アニメ（1999年版）のヒソカ：不気味で狂気的
1. キャラクターデザイン
旧アニメ版のヒソカは、原作よりも濃い色合いのデザインと、鋭い目つきが特徴です。
特に肌の影のつけ方や表情の強調が「不気味さ」を際立たせています。
- 目つき: 鋭く細められた目が、狂気的な印象を与えます。
- 衣装: 原作に忠実ながらも、色調がやや暗めで、不気味な雰囲気を強調しています。
2. 声優と演技
旧アニメでヒソカを演じた 高橋広樹 さんの演技が、彼の狂気的な一面をさらに引き立てています。
低く響く声や独特の笑い方は、視聴者に不気味さを感じさせました。
- セリフ回し: ゆっくりとした口調が、相手を追い詰めるような緊張感を生み出します。
- 笑い声: ヒソカ特有の高笑いや、楽しむような狂気的な笑いが印象的。
3. 演出の違い
旧アニメでは全体的に暗いトーンが使われ、ヒソカのシーンでは特に背景や音楽によって恐怖感が強調されています。
戦闘シーンでは、スローモーションや心理描写に時間を割き、緊張感を増しています。
新アニメ（2011年版）のヒソカ：スタイリッシュで明るい
1. キャラクターデザイン
新アニメ版のヒソカは、色鮮やかでスタイリッシュなデザインが特徴です。
原作の柔らかなタッチを再現し、派手な衣装とポップな色調が目立ちます。
- 目つき: 柔らかく、コミカルな印象を与えることが多いです。
- 衣装: 明るい色使いで、全体的に現代的でカラフルなデザイン。
2. 声優と演技
新アニメ版でヒソカを演じた 浪川大輔 さんは、柔らかく艶やかな声で、ヒソカの妖艶さや余裕のある雰囲気を表現しています。
演技が洗練されており、視聴者に「恐怖」よりも「魅力」を感じさせる方向性です。
- セリフ回し: 流れるような口調で、優雅さや妖しさが際立っています。
- 笑い声: どこか楽しげで軽やかな印象を与える笑い。
3. 演出の違い
新アニメでは全体的に明るいトーンが使われ、ヒソカのシーンも派手で華麗な演出が多いです。
特に戦闘シーンでは、カメラワークやエフェクトが派手になり、ヒソカの余裕ある強さが表現されています。
ヒソカといえばクロロとの決闘
ヒソカとクロロの戦いは、『ハンター×ハンター』の中でも特に緊張感があり、戦術的で複雑な戦闘シーンとして有名です。
この戦いは原作の「天空闘技場編」で描かれ、アニメでは新アニメ版（2011年版）の 第52話「信頼×ときどき×裏切り」 で映像化されています。
ただし、旧アニメ（1999年版）ではこの戦いは描かれていません。
戦いの舞台：天空闘技場の最上階
戦いは天空闘技場の最上階で開催されます。
この場所はプロハンターたちによる戦いの聖地であり、観客も詰めかける特別な舞台です。
ヒソカがクロロとの直接対決を望んでいたことから、この戦いが実現しました。
戦闘の内容：戦術と心理戦
ヒソカとクロロの戦いは、単なる肉体的な戦闘だけではなく、念能力を駆使した高度な心理戦と戦術が繰り広げられます。
1. クロロの念能力
クロロの念能力「盗賊の極意（スキルハンター）」は、相手の念能力を奪い、自分のものとして使うことができます。
戦闘中、クロロは複数の念能力を巧みに使い分け、ヒソカを圧倒します。
「携帯電話型の念能力」で観客に操作を加え、爆弾として利用する戦術を展開します。
2. ヒソカの念能力
ヒソカの念能力「伸縮自在の愛（バンジーガム）」は、ゴムとガムの性質を持つオーラを操作する能力です。
これを利用して、攻撃だけでなく防御や移動にも活用します。
クロロの攻撃を受けながらも、周囲の地形を利用して反撃を試みます。
3. 戦闘の展開
序盤
クロロは戦闘前に念能力を複数準備しており、それを戦略的に使い分けます。
ヒソカはそれに対して、バンジーガムを用いて柔軟に対応します。
クロロの周到な準備により、ヒソカは終始押され気味の状況が続きます。
中盤
クロロは観客を利用した爆弾攻撃を仕掛け、ヒソカを追い詰めます。
この戦術はヒソカの反撃の機会を減らしつつ、周囲を巻き込む恐怖感を与えます。
ヒソカはバンジーガムを使って観客席を利用しながら、反撃を試みます。
終盤
クロロの連携攻撃がヒソカに炸裂し、致命的なダメージを与えます。
戦いはクロロの勝利で幕を閉じ、ヒソカは死亡するという結末を迎えます。
ヒソカの復活
戦闘後、ヒソカは自身の念能力を利用して心肺機能を再起動させ、奇跡的に復活を果たします。
このシーンでは、彼の執念深さと念能力の応用力が強調されています。
戦いの意義と魅力
戦術的な駆け引き: クロロの計算された戦術とヒソカの直感的な対応の対比が魅力的です。
心理戦: 戦闘中の2人の思考や読み合いが、視聴者に緊張感を与えます。
キャラクターの個性: クロロの冷静で緻密な戦闘スタイルと、ヒソカの本能的かつ執念深い姿が際立つ戦いです。
まとめ
ヒソカとクロロの戦いは、肉体的な戦闘だけでなく、念能力を駆使した高度な頭脳戦として描かれています。
特にクロロの多彩な能力と戦略が際立ち、ヒソカの執念深い反撃と復活も印象的です。
この戦いは『ハンター×ハンター』の中でも特に見応えのある名シーンの一つです。
旧アニメと新アニメのヒソカ：どちらが怖い？
旧アニメ版のヒソカは、不気味さや狂気的な描写が多いため「怖い」と感じる視聴者が多いです。
一方、新アニメ版のヒソカはスタイリッシュで妖艶な雰囲気が強調され、「怖さ」よりも「魅力」にシフトしています。
どちらもヒソカの特徴をうまく引き出しており、視聴者の好みによって印象が異なると言えるでしょう。
